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福島原発事故 放射能測定データを読み解く(1)

文部科学省は、福島原発事故に関する放射能測定データを、ほぼリアルタイムでネットで公開している。このことは大きく評価できる。事実に基づき、正しい判断ができるからだ。原発周辺の福島県での測定データもだいぶ蓄積されてきた。4月16日付け公表の測定結果などから読み解くこととする。

http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303726.htm

測定データによると、双葉郡浪江町、相馬郡飯館村、双葉郡葛尾村、伊達郡川俣町、南相馬市の一部などは4月15日現在でも、まだかなり高い空間線量率(外部ひばく)を示している。年間20ミリシーベルト(20,000マイクロシーベルト)以下の被ばくを我慢するとして、20000/(365x24)=2.3マイクロシーベルト/時以上の地域は、避難すべき地域である。上記の地域はそれに該当している。

数年にわたる避難が必要とされるだろう。その理由は、事故初期に放出され沈着したヨウ素131は半減期8日なので、だいぶ減ってきていて、被ばくに対する寄与も今後さらに減っていく。問題はセシウムだが、半減期が30年と長いセシウム137と半減期が2年のセシウム134とがたぶんほぼ半々で地表に存在している。セシウム134は半減期2年で減っていくので、空間線量(外部ひばく)も徐々に減ってはいくだろうが、半減期が30年のセシウム137の寄与は、当分の間続くだろう。何も措置をしなければ安全側に見て今の半分程度の線量率が続くのだろう(実際には1/3くらいになるかもしれない)。今後、放射能の大気中への大量放出がなければという前提での話である。

被ばくは上記の外部ひばくだけではなく、呼吸による内部ひばくや地元でとれる放射能汚染食物を食べることによる内部被ばくもあるので注意が必要である。長期避難ということは、今の生活の放棄ということであり、慎重に対処すべきである。早急に詳細な測定を蓄積する必要があるだろう。放射能汚染を完全になくすことは出来ないので、住み続けるリスクについても十分に説明すべきである。

そうはいっても住みなれた場所から離れて、別の場所で生活するのには、大きな抵抗があるだろう。住み続けることにどんなリスクがあるか、正しく理解したうえで、住民が判断するのが良いだろう。いずれにしろ国は避難する住民に十分な説明をする義務がある。東京電力や国は、避難すべき住民に十分な補償をする義務もある、

住民にとって長期避難は苦渋の選択だ。だれも好き好んで避難などしない。放射線に対して影響の大きい子供や乳幼児に対しては特に慎重に対処すべきである。既に大きな問題となっている。

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