« 福島原発事故 ネットワークで作る汚染地図 | トップページ | 福島原発事故に関し、放射線の生体影響について(1) »

福島原発事故 事故調査・検証委員会について

国の事故調査・検証委員会の委員長や委員が決まった。委員長は畑村洋太郎氏である。人間がおかした失敗から教訓を引き出す「失敗学」の提唱者である。委員には国の原子力の平和利用を支える放射線医学総合研究所の職員も加わっている。人類の歴史に残るであろう今回の世界的にも未曾有な事故が、その原因を含めさまざまな角度から正しく検証されることを切に望む。

ところで5月30日の日経新聞「経済教室」というコラムに畑村洋太郎氏が「科学技術の役割―原発事故に学ぶ㊤ 最悪時前提に設計見直せ 完全制御志向改めよ 原子力になお未経験部分(以上記事のタイトル)」という記事を寄せている。この記事のポイントは「人間には自分に都合のよい思考をする習性がある。津波など失敗の記憶も時がたつとなくなる。事故が起きても危険が拡大しない設計が重要」といったことである。この記事の中で畑村氏は自身の原子力に対する基本的な考えを以下のように述べておられる「筆者は、日本が原子力を使わずに生きていけるとは思わない。1950-1960年代、日本は電気がほしくて仕方がなかった。世界銀行から借り入れまでして完成させた黒部ダム(黒部川第4発電所)の発電能力は34万キロワット程度だ。これに対し、原発は1基で100万キロワットを超えるものである」。

事故調査・検証報告者は、客観的に記載はされるのであろうが、やはり委員長の基本的な考えが反映されるものであり、このような事故が起きる原子力発電を人類は(日本は)使わないほうが良い、といった考えが誘導されるような結論はまったくでてはこないことだろう。ドイツやスイス政府は脱原発を改めて表明したが、足りない電気は原子力大国のフランスから購入したりしている。リスクのあまりに大きい原子力発電なしでやっていきたいという願望をこめドイツ・スイス両国の今後のエネルギー事情や社会の仕組みや人々の生活の仕方も注意深くウオッチしていきたい。

|

« 福島原発事故 ネットワークで作る汚染地図 | トップページ | 福島原発事故に関し、放射線の生体影響について(1) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/224066/51814523

この記事へのトラックバック一覧です: 福島原発事故 事故調査・検証委員会について:

« 福島原発事故 ネットワークで作る汚染地図 | トップページ | 福島原発事故に関し、放射線の生体影響について(1) »