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エネルギー・環境の選択肢 追記

政府の「エネルギー・環境会議」が提示した選択肢は3つあり、2030年(今から18年後)の時点で全電力に占める原子力発電の割合を、それぞれ2025%、15%、0%にする、というものです。

ちなみに福島原発事故前2010年の時点では、全電力に対して原子力発電26%、再生可能エネルギー(水力発電を含む)約10%、火力発電 約63%、というものです(政府発表)。また温室効果ガスの削減割合は、2010年時点で1990年比で約0.3%削減(政府発表)とのことです。これは原子力の割合が高まり、火力の割合が減ったことによる削減なのでしょう。

2030年時点での3つのシナリオは以下の通りです。

シナリオ1.原子力2025%シナリオ

  原子力発電の割合が2025%、再生可能エネルギー(水力発電を含む)が約2530%、火力発電が約50%、この時は温室効果ガスの削減割合は1990年比で約25%削減

シナリオ2.原子力15%シナリオ

  原子力発電の割合が15%、再生可能エネルギー(水力発電を含む)が約30%、火力発電が約55%、この時は温室効果ガスの削減割合は1990年比で約23%削減

シナリオ3.原子力0%シナリオ

  原子力発電の割合が0%、再生可能エネルギー(水力発電を含む)が約35%、火力発電が約65%、この時は温室効果ガスの削減割合は1990年比で約23%削減

 ここで特に注意が必要なのは、シナリオ3の場合のみ、我が国の原子力政策が大きく変わり、高速増殖炉もんじゅや再処理工場の廃炉、つまり核燃料サイクル(使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムをまた核燃料として利用する)が廃止となる、ということです。このことは大きくは取り上げられていませんが、重要なことです。高速増殖炉は危険な液体ナトリウムを冷却材に用いますし、何より危険な大量のプルトニウムを核燃料として燃やします。また再処理工場は通常運転時にも大量の放射性物質を環境に放出します。シナリオ1とシナリオ2の場合は現在の原子力政策(核燃料サイクル)がそのまま継続されるので、高速増殖炉もんじゅや再処理工場はそのまま運転が継続されます。シナリオ3の選択こそが、リスクを減らし、放射能による環境汚染を防ぐ唯一の手立てなのでしょう。

シナリオ3で火力発電の割合が約65%と2010年時点での約63%より多少大きくなっても、温室効果ガスの削減割合は1990年比で約23%削減(2010年時点では1990年比で約0.3%削減)となるのは、火力発電のエネルギー効率が高まり、より少ない石炭や石油・天然ガスの燃焼でより大きな電力を得ることができるからなのでしょうか。天然ガスの割合を増やすことも視野に入れているのでしょう。

 シナリオ3で、2030年時点で再生可能エネルギー(水力発電を含む)の割合が約35%となっていますが、これは将来の技術革新により、さらに増やすことも可能なのでしょう。この場合には新エネルギー開発のための新たな産業を興し雇用も増やせる可能性があります。

 

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